SBT受講後、チームの危機を救う驚異のキャプテンシーを身につける!そしてリーグ初優勝へ!

著者

臼井 博文(うすい ひろふみ)

世界を舞台に活躍する、トップアスリートのメンタルコーチ
北京五輪女子ソフトを金メダルへと導いた影の立役者

株式会社サンリ取締役 能力開発研究室 室長
■ SBTグランドマスターコーチ
■一般財団法人 日本リーダー育成推進協会 顧問

不安だらけのキャプテン就任

向井久子(現 綱嶋久子)さんと出会ってから早いもので15年が経った。
滋賀県にある東レアローズ体育館横のミーティングルームでの第1回SBT講習が初めての出会い。
「キャプテンの向井です。今日は宜しくお願いします!」と立ち上がって挨拶してくれたのですが、あまりにもキャプテンオーラが無いのにビックリしたのを今でも憶えています(笑)
それもそのはず。東レアローズは、我々がメンタル指導に伺う前のシーズンで、Vリーグ(日本最高峰のトップリーグ)準優勝だったのですが、それに貢献した日本代表含む主力7名がチームを去り、選手は11名に激減。
その中でなぜ向井さんがキャプテンに選ばれたかとういうと「一番年上だった」という理由から。
チームが一番大変な時に、それだけの理由でバレーボールトップリーグのチームキャプテンに指名されたわけですから、自信どころか毎日が不安と恐怖しかなかったでしょう。

大ピンチを大チャンスに

でも、不安だらけだったからこそ、最強プラス思考を作るSBT講習が、ストレートに受け入れられたのです。
「ピンチはチャンス」という言葉があるように、ピンチと感じている時は、何かにすがりつきたいという、心が一番素直な状態になっているのです。
そういう時に学んだことは、とんでもない吸収力となり、とてつもない能力を、あり得ないスピードで身につける事が出来るのです。
実際、私が見ていても彼女の講習を聴く姿勢と、吸収力と変化率はハンパなかったです。
ただ、春にSBTを導入してからもリーグ開幕の12月まではVリーグチームに1回も勝てず、「東レは下部リーグに落ちる」という世間の声を浴びながらリーグが開幕したのですが、なんとその下馬評をひっくり返す、「準優勝」という結果を成し遂げてしまいました。
そこには、春に出会った時の「不安しか抱えていない向井久子」はどこにもいませんでした。
元全日本代表の大林素子さんも自身のブログで「今年のVリーグの中で一番キャプテンシーがあるのは東レアローズの向井久子!」と言っていたくらいですから。
そして、向井さんはリーグ全体をみても異例の5年連続でキャプテンを務め、リーグ初優勝に貢献。
引退した後も、「闘将」と言われた向井さんのキャプテンシーは、全日本のキャプテンまでも務めた荒木絵里香さんに引き継がれ、その荒木さんのキャプテンシーは、日本の大エース木村沙織さんへと引き継がれていきました。
その向井さん、引退後は、SBT1級ライセンスに挑戦。見事一発合格されSBT1級コーチとなりました。
現在は岩手県にあるOWLS(NPO法人紫波スポーツアカデミー)で後進の指導にあたっています。
向井さんからも東レアローズの時の思いや現在のことをインタビューしようと思っていたところ、Nプロこと【アスリートNo.1プロジェクト】を一緒に行っている株式会社スポーツフィールドのサポート推進室の方が、先にインタビューをされていました。
とても内容の濃い素晴らしいインタビューですので、許可を得てインタビュー内容を抜粋させていただきました。

全文は以下のウェブサイトをご覧下さい。ちなみに私のインタビュー記事もございますので、ぜひそちらもご覧下さい。

▼OWLS(NPO法人紫波スポーツアカデミー)の詳細はこちら

https://ogal-shiwa.com/services/service1.php

▼株式会社スポーツフィールドのインタビューはこちら

https://www.spodge.sports-f.co.jp/1399

向井さんが主将となり、環境が大きく変わる中で、優勝に向けてチーム内での変化はありましたか?
チーム状況が変わる中、コーチからの提案で、アスリート向けのメンタルトレーニングに定評と実績のある、株式会社サンリさんと出会いました。
チームとしてサンリさんの行っている『SBT(スーパーブレイントレーニング)』を取り入れました。結果としては、初年度は準優勝。
その後、必要な経験を経て東レアローズとして初のVリーグ優勝を2007/08シーズンに果たしました。
今、振り返ると優勝までの『5年』は必要な期間だと思います。
なるほど。そして、初優勝からは一気に3連覇。その要因は何だと思いますか?
勝つことの快感と雰囲気を理解している選手が特に多かったと思います。
あとは勝つために通った地獄のような時代を知っている選手が居たことです。
実際に、優勝するまでの間、入れ替え戦間際までチーム力が落ちたこともありました。
本当に辛い時期を味わっている選手がいるときは底力が違います。
苦しい経験を経て本気のチームになれたこと、指導者からの押し付けではなく選手が主体的に動くチームが本当に強いと思います。
最後のシーズンは何のためにバレーを続けていたのですか?
「日本一強くて、日本一愛されて、日本一幸せなチーム」にするために続けていました。
私の原動力としてチームメイトの最高の笑顔が見たかったからです。
最高の笑顔って優勝しないと出ないですからね。
「東レで良かった」と選手が言ってくれた時が一番主将として嬉しかったです!
今の向井さんの夢はなんですか?
今はバレーボールを教えていますが、指導理念として『将来どんな分野へ行っても、それぞれの分野でリーダーになる人財を育成する』ことを目指しています。
バレーボール選手として食べていける人は少ないので、大人になった時に何かの分野でリーダーとして活躍できる人を育てたいですね。
アカデミーでは学年でクラス分けして、各クラスの中でリーダーが必要になるような環境を作っています。環境が人を育てているなと感じますね。
向井さんが指導する中で、大切にしていることはありますか?
個人個人を尊重すること、命令口調にならないことです。できるだけ問いかけるように心がけています。「はい」と「いいえ」で答えられる質問はしないです。二択なので返事も楽ですよね。高校の時は監督から「それはなんでや?」と聞かれて参っていました。例えば「今日の練習であったミスはどうだった」と聞かれたら「あの時は注意が足りなかった」と答えると「それはなんでや?」と。自分の考えや行動を説明し続けなければいけないので、とても勉強になりました。今の中学生は質問をすると「はい」と答えてしまう子が多いですね。「はい」と「いいえ」だと監督の求めていることを言わなければと思うじゃないですか。そうすると自分の考えとかけ離れてしまいますからね。
向井さんが考える、今の社会に必要な人財は。
自分で考えて、行動できる人です。その行動を振り返ってチャレンジし続けて、「失敗してもへこたれない強さ」が、身につくことがとても重要ですよね。(スポーツでも)指導者が欲していること、やって欲しいことではなく、自分がやりたいと思うことに取り組めば、自分の中から湧き出てくる欲求に対して、次々と考えることができますし、自然と粘り強くなると思います。「考えてやってみた。でも違う」を繰り返すことって楽しいじゃないですか。そうすると、急にできないことができるようになってもっと楽しくなりますからね。
最後に、スポーツが大好きだけど、壁に当たって悩んでいる人へ何かメッセージをお願いできますか?
好きだったら頑張る。そして、勇気を持って、より良くするための「行動」をしてほしいです。行動すると何かが変わると思います。たとえ失敗しても、経験が蓄積される。だから、本当の意味で失敗はない。

 

世界で活躍するトップアスリートのメンタルコーチが講師を務めるSBTライセンス講座