赴任先全3校が次々と全国高校駅伝出場!スーパー指導者に聞いた”秘訣”とは?

SBT1級コーチ 岩川英俊さん

赴任した3校全てを全国高校駅伝出場へと導き、なんと計5回も出場!
平成5年、6年には赴任先でそれぞれ初出場。2年「連続」初出場させた監督は全国に例がなく、全国大会入賞者も多数輩出。
今回、その“秘訣”を伺いました。

SBTと出会ったきっかけ

平成11年、岩手インターハイで、西田先生(SBT創始者であり、JADA協会会長 西田文郎)の娘さんとお話しする機会があり、その時、「No.1理論」を購入し、とても興味があったので静岡でのショートスクールに参加したのがきっかけです。
八幡浜高校陸上部で、SBTを取り入れたのはその翌年で、ちょうど学校創立百周年の年でした。おかげで男子は、県総体総合優勝、四国総合初優勝を果たす事ができました。
そういったこともあり、一般の生徒達にもSBTを学んでほしいと思い、その後、総合学習にも取り入れ、1年生を中心にSBT講演をしていただきました。また、教職員研修も実施しました。

次の赴任先、愛媛県立宇和高等学校陸上競技部で初めて《SBT年間サポート講習》を導入、そのきっかけとは?

宇和高校は小規模校で、有力な中学生はほとんど残らない学校でした。赴任当初は、長距離部員ゼロからのスタートで、駅伝は、最初は他校との合同チーム(オープン参加)から始め、短距離選手にもメンバーとして走ってもらうなど、苦しい思いをしながらのチーム作りでした。それでも少しずつ力を付け、平成24年、今年は優勝できると思って挑戦した県予選で、まさかの2位…。
このままではだめだと思い、翌年からSBTを導入しました。

《SBT講習》を受けて変わった「選手の人間性」

中には自己肯定感、環境肯定感の低い生徒たちもいましたが、少しずつ前向きになり、積極性が出てきて、チーム全員で力を合わせて目標に向かって一丸となって練習する姿勢が鮮明になってきました。個々の選手も、今までより明るくなり、まわりを思いやる行動が増えてきました。大げさに言うと、人間性の向上がみられ、それが競技力の充実に繋がっていったように感じます。

チームが大きくプラスに転じた「自己肯定感」の講習

やはり自己肯定感、環境肯定感などの「他喜力」にかかわる講習が大きかったと思います。
自分にとって「大切な人のために顔晴る」という感謝の気持ちがモチベーションを高め、決してくじけない心を作ってくれたと思います。
各家庭で実施してもらった「ピグマリオンミーティング」については、涙しながら報告してくれた選手や保護者の方もいらっしゃいました。

メンバーぎりぎりの人数にも関わらず、56年ぶりに全国高校駅伝に出場。その時のチームのメンタル的な強さとは?

勝つために自分たちが何をしたらいいのかを選手たちが理解し、それぞれが役割を果たそうとひとつになっていました。これは長距離部員だけでなく、短距離部員、マネージャーも同じ気持ちでした。
その一つがチームみんなで作った「NO.1ポーズ」です。
後一歩というところで全国を逃してきた状況を打破するために「ブレイクスルー」をスローガンとし、ワンピースのアラバスタ編の名シーンをモチーフに、「親や仲間など大切な人を全国に連れて行くんだ!」という気持ちで左拳を胸に当て、そこから頭上(全国大会と想定)に突き上げ、そこを見つめるというポーズです。
今でもそのポーズをすると心が熱くなるという卒業生もたくさんいます。

生徒と共にメンタルトレーニングや指導法を学ぶだけでなく、SBT1級ライセンス取得にチャレンジしようと思ったその理由

教えられるようになって初めて一人前などとよく言われますが、SBTを学ぶうちに、もっと深く学びたい、自分自身のためにも、まわりの人のためにももっと役に立つように、本気で、自分のものにしたいと思いました。
SBT1級コーチになる前と、なった後で、部活動やクラス経営など現場の指導で変わったと感じた事は、どんな状況においても、どう対処すべきか、どう判断すればいいのかを、SBTをバックボーンにして考えられるようになり、気持ちがぶれなくなってきたと思います。部活動はもちろん、授業や生徒指導の場面においても相手の気持ちをより理解できるようになり、悩みや不安に対してより具体的に答えを出してあげたり、アドバイスしてあげたりできるようになったと思います。

今の学校現場(生徒・教職員・保護者)に伝えていきたい、変えていきたい事

私は生徒指導を担当しているので、自己肯定感が低く、無気力な生徒や、環境肯定感が低く、言い訳や責任転嫁をすぐしてしまう生徒を指導する場面が多あります。SBTで学んだノウハウを活用し、前向きに心を動かせるようサポートしていきたいと考えています。そのためにも、教職員や保護者の方々にも生徒一人一人が主体的に活動できるよう、言葉や動作を変えるだけでも、感情はプラスに変わるということを伝えていきます。そして、少しでも多くの生徒が学校を楽しいと感じ、ワクワクしながら生活してくれるようになってほしいと思っています。夢を語れる仲間がいることや目標に向かって協力し合うことのすばらしさを今後も伝えていきたいです。

「教員SBT1級コーチ」としての使命

私が、教育現場でSBTを活用したり、発信したりすることで、多くの生徒たちに主体性や明るさが出てくると思いますし、教職員や保護者の方々にもプラス思考の重要性に気づいてもらえると思います。私の使命は言うなれば、「教育界からプラス思考をナビゲートするメンタル・ディレクター」であると考えています。

私のワクワクする「夢」

県初「全国高校駅伝男子で入賞!」を目指し、「ブレイクスルー」していくことが今のワクワクする夢です。